３月７日(月)　晴
　エジプト航空カイロ行MS865便は14時25分発のため，9時50分Y-CAT発のバスに乗り，11時半過ぎに成田に到着する。
　今回は総勢８名の仲間であるが，12時前には全員集まり，各自チェック･インする。通路側から2席ずつのシート･リクエストをしておいたが，全員通路側から2席をもらう。出国審査を終えて，ゲートに向う。
　エジプト航空は，機内でアルコール類はサービスされないが，氷などのサービスはあるらしい。又，残ったアルコール類のエジプトへの持ち込みも，問題ないそうである。ゲートに向う途中，機内用に缶ビールとウィスキーを免税店で買う。
　機材はA340-200で，カイロに向けて，定刻に出発する。ベルト着用のサインが消えると間も無く，澄み渡った青空を背景にし，雪を被った富士山が間近に見える。何時見ても，美しい山である。
　東京とカイロの位置関係から考えると，ほぼ経度に沿って飛ぶのが大圏コースに近いはずである。４時間程過ぎると，タクラマカン砂漠と思われる，薄茶色の平地の上を飛んでいる。その内に雪に覆われた山脈を越えたが，ヒマラヤ山脈であろう。
　カイロにほぼ定刻，現地時間21時過ぎに到着する。直行便の強みで，向かい風でも，14時間弱の飛行時間である。
　エジプト航空は，国内線も含めて，古いターミナル･ビルを使用している。今回は，新しいターミナル･ビルには，縁がないようである。
　空港には，エジプト人のカワイ君と名乗る男性が迎えに来ている。皆のパスポート集め，切手大の証紙を張ってビザを取得したこととなる。ビザの代金として，＄25を支払う。入国審査も問題なく終わり，預けた荷物も無事着いていて安心する。
　旅行社からは，ビデオカメラの申告が必要と言われていたが，これも必要が無くなっていた。
　今日のホテルは，ギザのピラミッドに近いメナ･ハウス･オベロイである。バスに乗り込み，ターメルという名のエジプト人日本語ガイドから，エジプトでの注意事項等の説明を受けながらホテルに向う。小１時間程走り，ピラミッドが見えてくると，ホテルに到着する。
　旅行代理店の日本人責任者が，ロビーに待っていてくれる。カワイ君がチェックインをしている間に，日本人責任者から１万円を両替してもらう。 厚さ2cm位の分厚い札束を受け取り，驚いたが，チップに必要な25･50ピアストル(PT)紙幣が大量に含まれているので厚みが増している。結果としては，25PT紙幣は小額過ぎて，チップにも不足で，余り役に立たなかった。換算率は，1LE＝\18である。
　翌日の観光の打ち合わせをすると，全員が第一ピラミッド入場を希望した。第一ピラミッドは入場者数が制限されており，開場と同時に入場出来るよう，明朝７時半集合を確認して部屋に入る。ピラミッドが見える部屋を予約したが，残念ながら暗闇で見えない。

Mena House Oberoi Garden Wing
Cairo/Alex Rd，Giza

３月８日(火)　晴
　時差の関係もあり，気持ち良く起きる事が出来る。朝食のために，キャフテリアThe Greeneryへ行く。庭にも椅子が並べてあり，ピラミッドを眺めながら食べる事も出来るが，少し風があるので室内で食べる事にする。バイキング形式の朝食で，品数も多い。オムレツを作ってもらう。
　部屋からは朝日に映えるピラミッドが見え，プ−ルサイドからは2基のピラミッドが見える。
　ホテルのロビーで待つうちに，ガイドが現れる。ホテルの前にバスは無く，少し歩いて道端に停めてあるバスに乗り込む。何故歩かされたのか不思議に思っていると，ピラミッド地区に入るゲートが未だ閉まっている。午前と午後に各150名しか第一ピラミッドに入場出来なので，バスが一列に並んで，順番待ちをしていた訳である。
　8時になるとゲートが開けられ，バスが一斉に駐車場に向う。ギザのピラミッド地区への入場料は40LE，クフ王のピラミッドの入場料は100LEである。
　ギザのピラミッドの中で最大のものは，クフ王のピラミッドであり，用意した手袋はめ，早速クフ王のピラミッドに入る。通路は整備されており，人数も制限されているので，問題なく昇り降り出来る。玄室の空間は広く，天井が高い。巨大な石が組み合わされているが，どのようにして造ったか，現実離れしていて不思議に思う。
　ガイドブックによると，当初は彩色されていたとあり，復元図によると，相当派手な色である。
　テロ以降であろうか，制服にTourrist Policeと書かれている警官が大勢居る。観光客が，ラクダに乗った警官をビデオカメラで撮影し，チップを渡していたが，受け取るところが面白い。それとも，警官が要求したのかもしれない。観光客を乗せるラクダが，仕事に出掛けるらしく数頭現れる。
　バスに乗って，カフラー王のピラミッドに向う。カフラー王のピラミッドの中には入るのをやめ，周辺の写真を撮る。
　次いで｢太陽の船｣博物館へ20LE払って入ると，靴カヴァーを渡される。博物館は，船が発見された場所の上に建てられている。ピラミッドの反対側に｢月の船｣がある事は確認されているらしいが，掘り出す事はしないようである。レバノン杉製の大きな船が復元されており，釘を使わずに木組みと綱で縛って組み立てられている。
　博物館を出でてバスに乗り，スフィンクスの見学に出掛ける。｢Giza Pyramid｣の券を見せて入場し，隣接する河岸神殿からスフィンクスを眺める。
　カフラー王のピラミッドから伸びる参道の傍にあるスフィンクスは，ピラミッド建設の石を切り出した後の岩山を削って作られた。顔はカフラー王を模したと言われるが，鼻が欠け，髭が無くなっているので，愛嬌がある顔になっている。スフインクスも，復元図によると派手に彩色されていたらしい。
　ギザの観光を終わり，カイロにあるモハメッド・アリ・モスクに向う。モスクには，靴を脱いで入る。大きなモスクで，イスラム信者のガイド・ターメル氏から，祈りの仕方等を教わる。モスクを囲む城壁から眺めるカイロは，霞んで見えるが，風により砂漠の砂が運ばれて来たものらしい。
　13時過ぎにモスクを出て，ハン・ハリーリ市場の中にあるレストランへ行く。喉が渇いているのでビールを頼むと，イスラム地区にあるレストランでアルコール飲料はない。仕方なく，ノンアルコール・ビールを頼む。メインの料理は，牛肉が入ったエジプト風ピラフ（コシャリ）で，少し粘り気のある日本的なお米は，日本人の味覚に良く合う。
　昼食を終わり，ハン・ハリーリ市場の中を歩く。狭い路地の両側に店が軒を連ねた市場は，観光客用土産物店の一大集落である。一方，歩道橋を渡ってアル・ムイッズ通りへ行くと，こちらは庶民のための衣料用品･雑貨品･食料品等の店が，車は通れないほどの狭い通りの両側に密集している。民族衣装ガラベーヤを着て，ベールを被った体格の良いご夫人が，大声で喋りながら買い物をしている。市場の中を歩いていると，｢見るだけただ｣｢何でも１ドル｣等，日本語で声を掛けられる。
　ズウェーラ門近くまで歩いて，ハン･ハリーリ地区フセイン広場へ戻る。広場に面したレストランで，コーラを飲んで一休みする。パンを山積みにした板を頭に乗せた小さな子供が，広場を歩いているが，パンを運んでいるのか売っているのか良く分からない。
　バスでホテルに戻る。ホテルの本館パレス･ウィングは，迎賓館として建てられ，第二次大戦後のカイロ会談が開かれた建物である。由緒あるホテルであり，夕食はホテルで食べることにしてレストランを調べる。
　エジプト料理Khan El Khalili・インド料理The Moghul Room・コンチネンタル料理Al Rubayyatのレストランと，朝食を食べたキャフテリアがある。旅行社からも勧められたインド料理のレストランは，７時からしか開かない。予約をして，バーで待つことにする。なかなか雰囲気が良いバーで，サービスも素晴らしい。
　７時になったので，レストランへ行く。各人違う種類のカレーを頼み，色々味見してみる。カレーもなかなか味が良く，昼食と同じようにお米も美味しい。
　エジプトのビールStellaと，異なるメーカーObeliskとOmar Khayyamのエジプトワインを赤と白の両方を試したが，悪くない。
　満足して部屋に戻ろうとすると，珍しく雨が降っている。通常雨が少ないので，排水の設備がなく，ホテルの前に大きな水溜りが出来ている。勿論傘の準備など無いので，ホテルの車でガーデン･ウィングまで送ってもらう。　明日は6時30分発の飛行機なので，ウェイクアップ･コールを頼んで寝る。

3月10日(木)　晴
　今朝も７時50分発の早い飛行機なので，6時30分にホテルを出発する。大急ぎで朝食を済ませ，フロントで精算を頼む。クレジットカードは機械が故障で使えないため，現金で支払うように言われた。仕方なく言われた金額をドルで払ったが，どうも多く払わされたよう気がするので，言われた換算率で計算し直して見ると，$15位余計に払った事になる。フロントには１人しか居ず，英語は分からないというので，ガイドに頼んで取り戻してもらう。もし出発時間ギリギリで，急いでバスに乗っていたら，損する所であった。どうも機械の故障というのは嘘らしく，換算率を誤魔化して払わせることが，時々あるらしい。一方，夜明けにアブ・シンベル神殿に出掛けた人達は，5名以下なので車代は$10だと言われ，仕方なく払ったそうである。車代を吹っかけたり，換算率を誤魔化して余計に支払うよう仕向けたり，油断も隙もならない。
　アスワンまでのMS246便は，定時に出発する。機材はＡ320で，定刻8時30分過ぎにアスワンに到着する。
　バスでアスワンのオールド･ダムを通り，ホテルへの渡し舟の船着場へ向う。風が強く，砂嵐が吹き荒れている。ホテルは，古代においてナイル川の水源と信じられたエレファンティン島にあり，専用の船で渡る。風で波が高く，船が大きく揺れる。
　ホテルの部屋は，１階に居間，2階に寝室と浴室がある。
　一休みして，ホテルのレストランへ行く。昼食は，バイキング形式のエジプト料理である。
　風が強くファルーカ(ヨットに似た帆掛け舟)は危険の為，予定を変えて，バスでカラブシャ神殿に向う。神殿への船着場の入口で，風が強く渡し舟が危険なので，神殿へは行けないと言われた。
　仕方なく引き返して，午後は市場を散策した後，午後は17時からしか開館しないヌビア博物館を見学する事に予定を変更する。
　市場は香辛料屋が多く，衣料品店･食料品店等が，道を挟んで両側に軒を連ねている。靴磨きを商売にしている子供も多い。車がすれ違う砂埃の道で靴を磨いても無駄だと思うが，商売になるのが不思議である。
　17時前，バスでヌビア博物館へ向い，入場料35LEを払って中に入る。小学生位の一団が，見学に来ている。ナセル湖を作った為に，湖底に沈んだヌビア地方の文化が紹介されている。
　バスで船着場へ向う途中，夕食のレストランを探したが，なかなか良いレストランは無い。
　ホテルのレストランで食べることにして，渡し舟でホテルに戻る。ホテルの最上階にあるバーからアスワンの夜景を眺めながら，アペリティフを飲む。小1時間夜景を楽しんで，ホテルの中のイタリア料理店へ行く。
　サービスも良く，料理も悪くない。どのレストランでも，エジプトワインの銘柄はObeliskかOmar Khayyam，エジプトビールはStellaかSaqqaraが多い。この銘柄を飲んでいる限り，外れはないようである。

3月13日(日)　晴
　朝，目を覚ますと，船が走っている。朝食を終わって，デッキから眺めると船は，コム・オンボへ移動して，３隻並列で着岸する。2隻の船の中を通り抜けて下船する。
　ナイル川を見下ろすコム･オンボ神殿の直ぐ傍に着岸しており，歩いて神殿へ行く。入場料は，20LEである。
　オリンポスの丘を意味するコム･オンボ神殿には，鰐の神セベクと隼の神はロエリスが祀られているので，全てが２重構造になっている。柱等に，彩色された跡が残っている。
　世界最古の暦が壁面に彫られているが，当時は１週間が10日で，１ヶ月は3週間であると説明を受けた。壁面の浮き彫りを見ていて気が付いたが，今まで見た壁画も含めて，何故か女性像は乳房が片方しかない。面倒だから省略したのか，何か意図するものがあるのか良く分からない。ここで飼われていた聖なる鰐のミイラやナイル･メ−ター，医療器具の浮き彫り等が珍しい。
　船に戻ると，岸壁との間に居た2隻の船はいつの間にかいなくなり，我々の船が接岸している。
船は，エドフに向って走り始める。昼食は，船で食べる。
　昼食後，デッキ･チェアーに横たわり，爽やかな風に吹かれ沿岸の風景を眺めていたが，日差しが強く小１時間で真っ赤に日焼けした。
　エドフに着くと，船着場に待機している一頭立ての馬車に４人ずつ乗り，エドフ神殿に向う。15分程だが，舗装が剥げた道を構わずに走るので，掴まっていないと振り落とされそうになる。
　規模の大きな神殿で，巨大な外壁の浮き彫りや，隼の姿をしたホルス神像が見事である。
　行きに乗った馬車を捜して乗り，船着場で御者にチップを払って，船に戻る。　デッキでアフタヌーン･ティーを飲みながら眺める夕日が，川面に映えてまぶしい。古代エジプト人もファルーカに乗って，同じ風景を眺めていたと思うと，不思議な感じがする。
　今日は夕食後，｢ガラベーヤ・パーティー｣である。エジプトの民族衣装ガラベーヤを着て，参加するパーティーで，船に貸衣装が用意されている。手品･民族舞踊･ベリーダンス等の後，ガラベーヤを着た船客がダンスをする。記念写真を撮り，楽しく終わる。

3月15日(火)　晴
　朝食後，デッキに出ると，対岸に観光用の熱気球が浮かんでいる。
　チェック･アウトして，荷物をバスに積んで西岸の観光に出掛ける。
　船でのチップは，一日/一部屋当たり$5とガイドに言われ，合計$15を封筒に入れて支払う。
　以前西岸には，渡し舟で行っていたが，橋がかかり，バスでナイル川を渡るようになった。先ず，メムノンの巨像を見に行く。修復中であるが、確かに大きい。
　次いで，ハトシェプスト女王葬祭殿へ向う。途中に日干し煉瓦で造られた家の集落があり，昨日ルクソール博物館のヴィデオで見た古代の家と外観は大差ない。当時は神殿やピラミッドを造る事で生活をしていた人達が住み，今はそれを掘り出して生活している人達が住んでいる。
　駐車場でバスを降り，トロッコ列車(タフ･タフ)で神殿の近くまで行く。入場料は，20LEである。
　この建物も広い砂漠の中にあるので，余り大きく感じないが，3段テラスの巨大な葬祭殿である。この葬祭殿では，1997年11月17日午前9時頃，日本人10名を含む観光客59名とエジプト人ガイドと警官3名が，武装テロリスト6名に銃を乱射されて殺された。テロリストも全員射殺された，悲惨な事件の舞台である。
　次いで，王家の谷へ向う。入場料は55ＬＥで，ツタンカーメンの墓に入るためには，別に70LEが必要である。公開されている墓3箇所とツタンカーメンの墓を見学する。ツタンーカーメンというのは日本語読みで，英語表示は｢Tut Ankh Amon｣で「トゥトアンクアムン｣と読むのがアラビア語に近いようである。
死後の生命の隠れ家である岩の中に掘られた墓に入ると，古代人の世界が岩窟の天井や壁に鮮やかな色彩で描かれ，残っている。墓の中は撮影禁止で，写真機は持ち込めない。
　観光を終わり，バスでルクソール神殿の傍にあるホテルに行く。革命前の王様の冬の別荘として，1886年に建てられたヴィクトリア風の建物で，ロビーの天井も高く，風格があるホテルである。プールの傍のレストランで昼食を食べたいと思ったが，満席で仕方なく一階のレストランで昼食を食べる。
　昼食を終えて，部屋へ行く。部屋はPresidential Suiteで，３人は入れそうな大きなバスタブがあり，ベッドは天蓋で覆われている。ナイル側に面した部屋であるが，午後の西日が強く窓を開けるとまぶしい。
　カルナック神殿の｢音と光のショー｣についてホテルで聞くと，運良く今日は19時から日本語のショーがあるという。それを見に行くことにして，暫くホテル周辺の土産物屋を見て歩く。夕食は，ホテルにある「１８８６レストラン」へ行くことにして，フロントに予約を頼む。
　18時過ぎ，ガイドにタクシー運転手と交渉してもらい，往復タクシーをチャーターしてカルナック神殿に向う。入場料は35LEと聞いていたが，実際は55LEに値上がりしていた。
　50名位の日本人観光客が集まり，スフィンクスが並んだ道路で開場を待つ。時間になり，音楽と解説を聞きながら奥へ進む。聖なる池の傍に作られた座席へ行くと，特別な良い席へと案内される。コンクリートの席に白布が敷いてあるだけだが，チップを払って座る。映像が無いのでやや退屈であるが，解説で色々な事が分かる。ショーの途中で，モスクからのアザーンが聞こえてくる。風が吹くと細かな砂が飛んでくるので，眼鏡やマスクが欲しいと思う。砂漠の砂は，本当に細かいので，カメラも出来るだけケースに入れておくようにする。
　タクシーに乗ってホテルへ戻り，｢１８８６レストラン｣へ行く。19時からの席は一杯で，22時過ぎにならないと席が空かないと言う。席が空くまで「Royal Bar」で待つ事にする。英国風の落ち着いたバーで，ピアノの生演奏がある。暫くすると，夕食のメニューを持って来てくれる。メニューを見ながら，カクテルなど飲んでいるうちに,レストランの席が用意される。
　レストランは狭いが,素晴らしい食器に盛り付けされたフランス料理も美味しく，内装やサービスも文句なしである。
　明日の飛行機も早いので，朝食のレストランは開いていない。仕方なく朝４時に，ルーム･サービスを頼む。

3月17日(木)　晴
　朝食はホテルのキャフテリアで食べるが，バイキング形式で品数も多い。
　８時半過ぎに，バスでアレキサンドリアへ向けて出発する。有料道路に乗り，1時間半ほど走って，パーキングエリアで一休みする。大型バスや高級乗用車からオンボロ車まで止まっており，弁当を広げているグループも居る。平べったいパンにハムをはさんだり，ペーストを付けたりして食べている。スタンドでは，車を数人で洗っており，未だ洗車機はない。
　道路の両側は，畑や果樹園が広がっている。矢張りエジプトは，昔から農産物には恵まれた国で，その為に文明も発達したのだと実感する。
　所々にアイスクリーム・コーンを逆さに立てたような建造物があり，穴が沢山開いている。ガイドに聞くと，食用鳩の飼育小屋だそうで，自由に飛び出して餌を探し，建造物の巣に戻るとなると飼育には手が掛からないに違いない。
　アレキサンドリアは，紀元前４世紀にアレキサンダー大王が建設した町である。その後，エジプトはクレオパトラを最後にローマ帝国に征服され，アレキサンドリアもローマの一都市となり，ローマ時代の遺跡が残っている。
　11時近くにアレキサンドリアに到着し，入場料30LEを払って，グレコ-ローマン博物館へ行く。中庭が，綺麗である。
　次いで，カタコンベ(Kom El-Shuwafa Monuments)に向うが，バスの前を路面電車が走っている。人で溢れた商店街の前の車道から線路にはみ出してテーブルが置いてあり，その上に品物を並べて売っている。電車が来ると，通れるようにテーブルを動かしている。このため，自動車は車道を走れず，線路の上を走る事になる。線路の上の電車では，パンタグラフが外れて，車掌が元に戻している。
　大混雑で，なかなか前に進まないが，やっと到着し，20LEを払って中に入る。明り取りの大きな井戸状の穴の外側に階段があり，回りながら降りて行くと，小さな部屋に分かれた地下の墓地がある。
　再び雑踏する商店街を抜け，ポンペイの柱(Amud El-Sawari)を見に行く。10LE払って中に入ると，巨大な柱が一本立っている。辺りを見回すと，アパートが洗濯物で満艦飾となっている。
　海岸線を走ってレストランへ着いたが，残念ながら海も見えず，アルーコール類も無い。イカや小魚のフライ，青魚の塩焼き等の海鮮料理を食べる。折角ここまで来たので，地中海が見えるレストランで，ゆっくりワインを飲みながら昼食を楽しみたかった。
　昼食を終え，海岸にあるカイトベイ城砦を見学に行く。防波堤で囲まれた小さな湾で，貸しボ−トに乗っている若者や，波が荒い海で魚を釣っている人もいて，大勢の人が遊びに来ている。
　海岸で一休みして，カイロに戻る。帰路も途中で一度休憩し，ホテルに戻る。
　16時前にホテルに到着したので，一部の人は急いでエジプト博物館を見学に行く。
　夕食は，ホテル内のイタリア料理店｢D’Marco｣に行く。一皿の量が多く，ピザ１枚でも３人で食べられる程の大きさがあり，食べ切れずに残してしまう。